「あかるい家」 中島伽耶子
「Bright house」 Kayako Nakashima
家の壁や屋根に無数の穴が開けられている。穴は虫食いのようでもあり、太陽の光を取り込み室内を照らす。「光のある家」「明るい家」「明るい未来」という言葉をよく見るが、家と光の組み合わせは生活の豊かさ、幸福さと同義で使われることが多い。珠洲は、原発建設問題で地理的、歴史的にも「明るい未来」を希求し模索した土地でもある。現在は、山では風力発電が行われ、海では塩がとれ、里では祭りが行われている。この土地は、私たちにとって何が
”豊か” なのかを考えさせる。希望の象徴として語られる光を、同時に欲望の象徴としても使うことで、生活の価値観について考える静かな場所を作りたい。